採用情報
地域の方々と向き合い、その劇場の役割を最大化できるイベントを
事業プロデュース部門・劇場プロデュース部門兼務(取材当時/現在:劇場プロデュース部門)
– 入社の経緯は?
入社は2021年です。以前は文化財団に所属し、地方文化行政に携わっていました。その一環で、とある学会に出席したときに出会ったのが、当社代表の伊東です。初対面にも関わらず、これからこういう劇場を建てるんだなど、劇場に対する熱い想いを聞くことができて、それぞれの地域で劇場を通して何ができるのかをトータルで取り組んでいる、こんなにおもしろいことをしている会社があるのだと、衝撃を覚えました。
その後、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、地方の主催事業は軒並み中止になってしまって。そのタイミングで、自分も目前のイベントだけでなく、もっと広く、いろんな地域の方に貢献できるような先を見据えた仕事がしたいと思いました。それでシアターワークショップのことを思い出し、自分から連絡したのです。
– 劇場や演劇にはもともと興味があったのですか?
高校の演劇部で演出を経験し、大学では演劇教育を学びました。演劇を通してコミュニケーション力や表現力って何なのかを追求するうえで、即興演劇を勉強したり、小劇場の演出助手をやらせてもらいました。稽古場や関わっている人同士のコミュニケーションをどう作るかや、それを舞台に乗せることが面白くて。即興演劇は今もライフワークとして舞台に立ち続けているので、切っても切れない関係ですね。
– 現在の担当は?
事業プロデュース部門で、イベント文化事業の企画・制作・運営を行っています。鑑賞するだけでなく、アーティストと触れ合って話す機会をつくったり、ダンスや演劇がどのようにつくられているかを知ることができたり、楽器に実際に触れてみるような、一歩踏み込んだ企画がたくさんあります。
また、ホール単体の悩みというより、そのホールがその地域にどのような存在として機能するのが良いのか、地元の方と一緒に考えることが多いです。郊外の劇場やホールだと、「若者を呼び込みたい」「中高生が文化芸術に触れる機会が少ない」など、その地域の方たちが感じている課題があります。それを踏まえ、年間を通しての事業企画の提案も行っているんです。「住民の中に海外の方が多い地域だが、なかなか交流のきっかけがない」というようなこともあり、例えばベトナムの方が多いのであれば、ベトナムの楽器を演奏できるアーティストを招いたイベントを一緒に考えて実施しました。交流のきっかけをつくれただけでなく、ベトナムの方たちには「故郷の地元の音楽だ」と喜んでいただけました。
– 仕事で苦労する点、やりがいを感じる点は?
住民の方々から「あのイベントが楽しかった!」と言っていただいたり、笑顔でホールから出る姿を見ると嬉しくなります。地域の方やお客様と直接関われる点は非常にやりがいを感じます。
また、地域住民の方々と意見交換をし、その地域ならではの施設のあるべき姿を一緒に考えて、実現していくことを大切にしています。その一方で、郊外のごく小規模な施設だけでなく、都市部の大劇場まで、条件や課題の異なる施設や企画に多岐にわたって対応するので、これから場数を踏み、経験を積んでいきたいところです。とくにコロナ禍でオンライン会議が増えてからは、立て続けに会議があったりすると視点の切り替えが難しくて。
学生時代やプライベートで演劇に携わる際の、稽古場でコミュニケーションの場をつくる経験は、社内のチームや現地の方たちと活動する中で活かせている気がします。
– 入社して約3年。入社前と後でイメージは変わりましたか?
想定していたよりも、ちょっとおもしろすぎますね(笑)。転職した際は、イベント現場そのものの運営だけでなく、それを実現するまでの書面上のやり取りや予算関係などを学ぶつもりでいました。もちろんそれもやりますが、実は、劇場プロデュース部門も兼務しているんです。こちらは劇場を“つくる”部門です。構想段階から施主である自治体や設計会社と伴走し、サポートを行います。ソフト系とハード系のスタッフがひとつのチームになって、新しい施設の基本コンセプトを専門家や有識者、住民の方々に意見を募るところからはじめます。仕事の範囲は幅広いですが、基本構想から建てた後に実際に劇場・ホールが使われる企画運営まで、一連の流れに携われるのは劇場のことはなんでもやっているこの会社だからこそで、充実感があります。こんなに早く広範囲に携われるとは、予想外の展開です。
– 今後、チャレンジしていきたいことは?
劇場の新しいカタチを提案していくことです。長年、劇場の次世代モデルを研究してきたシアターワークショップとして、会社をあげて取り組んでいるのは、「2030年モデル」の研究です。次の時代を担っていく劇場のあるべき姿を、自分もしっかり考えていきたい。
世間では、“劇場型”という言葉が、あらかじめシナリオが決まっているパフォーマンス的なものというように、あまり良い意味で使われていません。もっとポジティブな意味で使ってもらえるように、劇場に来る多くの人たちに向けて、イメージを覆すようなおもしろい提案をしたいですね。
– ところで、休日の過ごし方は?
演劇活動について考えていることが多いです。昨日は即興演劇の稽古日でした。即興演劇は台本がなく、基本的にはメンバーと仲良くしておけば当日舞台に立てるので、仕事との両立にまったく支障がありません(笑)
それ以外では、友人に頼まれて舞台で使う音楽をつくったり……。やっぱり演劇が好きなんでしょうね。
長谷川 皓大
事業プロデュース部門・劇場プロデュース部門兼務(取材当時/現在:劇場プロデュース部門)
2021年入社。東京学芸大学教育学部表現コミュニケーション専攻卒。文化財団にて地方文化行政に携わっていたある日、偶然代表の伊東と出会いシアターワークショップの仕事を知り、後に転職。事業プロデュース部門だけでなく劇場プロデュース部門を兼務し、地域ごとにイベントをオーダーメイドで企画・制作するほか、その知見を劇場つくりの段階にも活かしている。