運営と建築は密接に関係している
弊社は劇場の設計や建設のコンサルティングから始まり、運営管理計画にも携わるようになり、さらには開館後の運営管理のために、施設運営の部署を立ち上げてきました。そして、私の入社とともに、施設の独自性、主体性をより高めるための自主事業の企画制作など、多様な要請に応えていく部門として、2018年にコンテンツ事業推進室を立ち上げました。現在は事業プロデュース部門と名前を変え、全国の公共・民官施設のコンテンツ企画を行っています。
また、劇場コンサルティング部の業務にも携わっています。建築は専門外ですが、運営と建築は密接に関係しているので、運営の経験が活きていると思います。
私のキャリアのスタートは、(株)ワコールでした。表参道に建てたスパイラルの立ち上げから参加し、ファッションショーや展示会にホールを貸し出していましたが、それだけでは「生活と文化の融合」という本来の目的を達成できないので、文化を発信する自主企画事業をやっていました。日本で初めて、一年交代の芸術監督制度を導入し、黒テントの佐藤信さん、新劇の木村光一さん、蜷川幸雄さん、天児牛大さん、小竹信節さんといった方々にお願いして、先駆的な事業を手掛けてきました。
その後、1995年に東京国際フォーラムの準備室に転職し、ここでも立ち上げに関わり、建築家との話し合いや、備品の選定、貸し出しのルール設定などをやってきました。自主事業のほかに、貸し館の営業担当も経験しました。そして、2017年には座・高円寺という劇場に移り、一年間、館長職を務めました。