山形県総合文化芸術館は、長年空地となっていた山形駅西口に建設され、命名権により「やまぎん県民ホール」と名付けられた。約800席の音楽ホールをもつ「山形テルサ」が隣接している。本計画は1995年に基本計画が策定され、設計も行われたが、財政難から2005年に凍結されていた。2013年に計画が再開され、弊社は再度県からの委託を受け施設計画及び管理運営計画のコンサルティングを行った。本施設は大ホールの他、スタジオや練習室、会議室などで構成されている。大ホールはオペラ、バレエの公演や全国ツアー公演を誘致できるよう、経験豊富な舞台技術者の指導をいただき、十分な舞台面積を確保し、充実した舞台設備を装備している。舞台上部は安全性と利便性、作業性に配慮し、2基のライトブリッジや舞台両サイドに東西ライ トバトンを設置した。スタジオ1は生音系の音楽練習室であり、発表会利用も想定している。2層分の天井高を確保し、壁面には吸音カーテンを設置し、最適な残響時間を得られるよう配慮している。スタジオ2は演劇、ダンス用の練習室であり、天井にはグリットパイプと電源を確保し、壁の2面に鏡を設置した。また、建物正面には県産品ショップとレストランを配置するとともに、緞帳や劇場椅子、内装などには県内の専門家や専門業者の技術と伝統の技を駆使し、山形らしさをふんだんに盛り込んでいる。