1998年に開館した新神戸オリエンタル劇場をリニューアルし、関西初の2.5次元ミュージカル専用劇場とする計画である。弊社は新劇場を運営する企業のコンサルタントとして、施設計画や舞台特殊設備の改修計画、官公署協議、舞台図面作成等、リ ニューアル計画から再開館に至る全般に対しての協力を行った。改修にあたっては、観劇の機会を増やすため客席を全面更新し、668席から808席に増やしている。舞台前端のラインや座席幅・客席前後幅を変更したため、避難通路や2階席下部の天井高を確保しつつサイトラインを確保できるように、客席勾配の再調整をともなう改修を行った。同時に観客へのホスピタリティを高めるため、ロビーの内装改修や、トイ レの洋式化等を行なった。2.5次元ミュージカルの演出では、常設の舞台設備とともに、持込みの機材が多く使用される。そのため、持込みへの対応のしやすさと出演者 や舞台スタッフの安全確保に主眼をおいた計画とした。舞台機構設備では吊物のワイヤロープの更新や制御盤内の部品更新、舞台照明設備では既存不適格であるT型コンセントをC型のものに全面更新する等、公演の安全な実施における緊急性の高い項目を中心に実施した。再開場以来、数多くの公演が継続的に開催されており、関西の 2.5次元文化における中核的な劇場となっている。