旧市民会館の老朽化に伴い新たに建設された玉名市民会館は、二つのホールがコ ンパクトに配置され、表情豊かな外観は玉名市の新たなランドマークとなっている。
弊社は設計段階から参加し、 大ホール、マルチホールの設計及び施工監理に携わっ た。 大ホールは826席の中規模ホールで、興行利用から市民利用まで、様々な用途に使用される多目的ホールである。 音響反射板は正面反射板を固定とし、側面反射板 は二つ折りで舞台後壁側に回転して収納する。 また、天井反射板は舞台後方に吊り込む方式であり、音響性能の高い音響反射板を設置し、その他の演目の妨げにならない位置に収納している。 舞台照明、 幕類、 道具用のバトンはすべて電動化し、安全で使 い勝手の良い仕様としている。 マルチホールは、 平土間形式での展示会、 パブリック ビューイング、シアター形式でのセミナー、 発表会など市民の多様な利用に対応でき る可変型のホールである。 客席後部は壁面収納型の移動観覧席で、前部は床面が迫りになっており、迫りを下げて席を並べることで304席のシアター形式のホールとし ている。この方式としたことで、 舞台面は常に周囲と同じレベルであり、かつ舞台も含めたホール全体が平土間として使用できるメリットが生まれている。