西神ニュータウンのまち開きから40年が経過し、神戸市は民間活力を導入して、駅前リノベーションを計画した。 西神中央駅に直結した市有地に、西神中央ホールと市立西図書館が複合したなでしこ芸術文化センターと、民間の集合住宅を建設した。
弊社は企業コンソーシアムの一員として、ホールの運営及び設計コンサルティング業務を担当した。開館後もホールの指定管理者として管理・運営を行っている。
ホールは多種多様な利用を想定しており、フライタワーのないワンボックスの空間でありながら、コンサート形式とプロセニアム形式に対応できるよう計画した。 舞台側壁はリバーシブルの回転壁にし、音響反射板と袖幕の両方の機能を持たせた。また、客席には椅子・テーブルも設置することができ、転換時のパーツの重量に配慮して、人力でありながら極力負担が小さくなるように意識した。
舞台の奥のスライディングウォールは、開け放すとアートスペースからカフェまでつながり、さらに外部空間に開かれ、ミニコンサート等も可能となっている。
ホールと図書館をつなぐ共用部の交流モールには、アートウォールと名付けた棚を設置し、この施設ならではの出会いと新たな創造を生み出す場とした。